別れの曲
「別れの曲」というのはフランス映画の邦題です。それが日本での通名になりました。従って、ショパン自身が名づけた題名ではありません。
その映画はショパンの伝記映画です。映画の中ではBGMとして「別れの曲」が使われていました。曲の内容と「別れの曲」という題名は何の関連もないもので、またショパン自身が名付けたわけでもないのです。
美しい旋律と「別れの曲」という名前を曲の内容と結びつけるのは愚の骨頂。正式に言うと"練習曲 作品10-3 ホ長調"。この「別れの曲」という呼び名が成立するのは日本だけです。世界一有名なピアノ曲の一つ?だと思います。
異常なまでに美しい旋律を誇るこの曲は、作曲したショパン自身が「かつてこれ以上きれいな旋律を作ったことはない」と言った程です。透明感のあるホ長調の旋律は確かに絶品です。ピアノ曲としては定番中の定番で、上手な人の演奏を聴くと最高の喜びが得られるでしょう。
ピアノを弾く人なら誰でも憧れる曲なのです。旋律もゆっくりで最初の方なら簡単に弾けると思いきや、中間部は強烈な減七和音が連続し、かなり弾きにくい。これを弾きこなすにはそれなりの腕前が必要になります。そもそも、この別れの曲は練習曲であるということを忘れてはいけません。中間部の楽譜を読み取るのもかなり面倒です。
101回目のプロポーズで使用されていたり、その他諸々の映画などでも聴くことができるが、これだけ美しく主張の強い作品だと、映画本編などよりも目立ってしまうように思います。従ってBGMとしては成立しない曲のように思います。長調なのに哀しいこの曲は、ショパンの魅力が最大限に発揮されたピアノ曲の一つと言えるかもしれないですね。
作曲されたのは1832年とされています。ショパンが22才の時です。故郷ポーランドを離れ、パリでデビューしたのと同じ年です。パリに着いたばかりのショパンは、名声を得ようと野心を持っていたのは間違いなと思います。同時に、故郷を想い、郷愁の念に駆られていたというのも想像できます。別れの曲は、そんな複雑な心境の時に作曲されたのです。
別れの曲 収録CD

アシュケナージの演奏によるロングセラーのCDです。
別れの曲、革命、英雄ポロネーズ、幻想即興曲、木枯らしなどのショパンの代表作品は全て収録されています。ショパンの名曲を手っ取り早く知るには最適のCD。
演奏は世界でも指折りのピアニストであるアシュケナージ。現在では指揮者として活躍している音楽家です。アシュケナージの達成したショパン全集の中からの抜粋になります。オーソドックスで真摯なアシュケナージの演奏は初心者でも違和感なく、安心して聴くことができます。









