ショパンウェブ > ピアノ曲解説

ポロネーズ

スポンサーリンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年1月 2日

ポロネーズ(polonaise)はポーランドに伝わる舞踊リズムである。そういう意味ではマズルカと似ているが、マズルカが一般民衆的であるのに対してポロネーズは貴族的であると言われている。18C頃はすでに舞踊としてのポロネーズは廃れてしまっており、それに息を吹きかけたのがショパンであった。

ポロネーズのリズムは力強く、騎士的、男性的である。したがって繊細で優美な作品が多いショパンの作品の中にあっては異色の作品と言えるかもしれない。ショパンが残したポロネーズは全部で18曲である。18曲中2曲はピアノ独奏ではない。それは「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」とチェロとピアノのための作品である。

残りの16曲はピアノ独奏曲で、その中でショパンの生前に出版されたポロネーズは7曲である。その7曲はショパンの創作意欲の盛んな時期に書かれたものであり、優れた作品に仕上がっている。


ポロネーズ 第1番 嬰ハ短調 作品26-1

1834年に作曲された。力強い出だしはいかにもポロネーズらしい。第1主題はポロネーズリズムの上に優雅に響く。中間部は変二長調に転調し叙情的である。曲は3部形式でやや独創性に欠ける。とはいえやっぱり名曲。


ポロネーズ 第2番 変ホ短調 作品26-2

ショパンの曲にしばしば見られる控えめな両手のユニゾンによって音楽は始まる。音楽は不安定であるが、一気に情熱的な音楽へと上昇する。やがて長調に移るが、この部分は実に堂々としたものである。3部形式で音楽の性格はやや悲劇的。


ポロネーズ 第3番 イ長調 作品40-1

軍隊ポロネーズ。今さら説明の必要のない有名な曲。繊細なショパンが極めて堂々とした力強い音楽を作っている。他のポロネーズと同様3部形式で、やはり独創に欠けるが、「私はポロネーズです」と言っているくらいポロネーズリズムの特徴が出ていてわかりやすい。。フランツ・リストはこの曲を好んで自分の演奏会で弾いたらしい。作曲は1838年10月頃。


ポロネーズ 第4番 ハ短調 作品40-2

前曲とは対照的で憂鬱で陰影なもの。左手のオクターブで暗い情熱が歌い上げられる。中間部の曖昧な転調が実に美しい。この曲も3部形式を取っている。曲は堂々と終わる。


ポロネーズ 第5番 嬰へ短調 作品44

ショパンのポロネーズの中では特に壮大な作品で、リストも大絶賛した傑作の一つ。不安げな出だしはスケルツォ 第3番と類似している。また第2番のポロネーズも同じ手法である。ポロネーズの堂々としたリズムと激しく荒い曲調はショパンの性格の激しい一面を窺わせる。

かなり高度の技巧を要する曲である。この曲の最大の特徴は中間部に配置されたマズルカである。激しいポロネーズは一転して繊細極まる優雅なマズルカにその姿を変える。その美しさは他に例えようがない。ショパンの独創性が遺憾なく発揮された曲である。この自由な発想は後の「幻想ポロネーズ」に発展することになる。作曲は1840年末。

ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53

今更説明は不要な程有名な曲。いわゆる「英雄ポロネーズ」。ショパン円熟期の最高傑作である。大砲のような強烈な一撃で始まる序奏は、ショパンの得意とした半音階進行で、立ち止まることなく上昇していき、やがて主題となって爆発する。

主部の旋律は勇ましさを超えて神が見える気がする。中間部は絶間のない左手のオクターブがぬぐいきれない印象を与える。この書法はリストに大きな影響を与え、リストの作品の中にその影響を見出すことができる。続く半音進行の音楽はまさしくショパンのものだ。曲は3部形式だがショパンの独奏性が大いに盛り込まれている。

ポロネーズ 第7番 変イ長調 作品61

「幻想ポロネーズ」ショパンの最後の大曲であり、最高傑作に数えられる。1845年から約1年程かけて作曲された。長大な序奏は無調といっていいくらいつかみどころのない神秘的な響きである。やがてポロネーズリズムに導かれて美しい旋律が現れる。

そして新たな素材が泉の如く涌き出てくる。極めて自由な形式、リズム、旋律でありまさに幻想的と言える。。ショパンの精神とピアニズムが融合した最高傑作で神がかり的ある。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

TWITTER

ベストセラー

ショパン名曲集 ショパン名曲集
アシュケナージによる最高のショパンの名曲集です。初心者に最適のCDです。
ポリーニ ショパンエチュード集 ポリーニ ショパンエチュード集
史上最高のショパンのエチュード集として名高い、ポリーニの名演。圧倒的な集中量が感じ取れます。
ホロヴィッツ・ショパン・コレクション ホロヴィッツ・ショパン・コレクション
ホロヴィッツによる、問答無用で最高のショパン。やや録音が古いが選りすぐりの名演です。

Profile

シロトリュフ @ShiroTruffe | Webコンサルタント・シロトリュフ

神奈川県横浜の生まれ。職業ウェブコンサルタント。好きなものはワイン、シャンパン、美味しい食べ物、クラシック音楽。自己紹介はこちら

TOP | お問い合わせ | メルマガ | サイトマップ |